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20251030_回想3 組織にとって迷惑な存在です。
「あなたは組織にとって迷惑な存在です。」 副社長から自分に向けた言葉が、社内メールで社員全員に届いた。 フォントサイズは大きく、文字は赤色だった。 なぜか打ち合わせに呼ばれない。 なぜかデザイン案がスルーされる。 なぜかレッテルを貼られていた。 「自分のこだわりを優先して、全体の流れを見ていない」 ー 何の案件だったか、クライアントへの提案に間に合わせるよう準備が進められていた。 自分がデザイン案を準備し、先輩がそれを企画書にまとめて提出する流れだった。 スケジュール通りに先輩にデータを送り、自分の役目を果たしたと思っていた。 「遅れる」ことを極端に恐れるタイプなので、そこだけは確実だったし、 問題なく進むはずだった。 しかし、いつの間にか「提出ギリギリまでデザイン案が届かず、ものすごく困った」 という話になっていた。 こちらに何を指摘するでもなく、先輩はそのことを副社長に陰で密告し、 激怒した副社長から嫌がらせを受けるようになり、 上記のように一方的なクビを言い渡されるに至った。 ー そもそも事実無根だったので、何が起きているか理解できなかった
中川朋樹
10月30日読了時間: 3分
20251030_回想2 漆黒のブラック会社
元旦、飯田橋は東京大神宮の初詣。 長蛇の列が、信号を越えた向こう側まで伸びていた。 恋愛成就のご利益があるということで、ほとんど若い女性だった。 そんな光景を窓越しに眺めながら、 コピー機からはき出されるレイアウト用紙を手に取る。 デザイン事務所を退職後、どうにか転職できた制作会社では、元旦から出社していた。 ここでは、現代(いま)の感覚では信じられないほど 漆黒のブラック環境を体験することになった。 ー 朝は7時頃に出社し、夜は終電後のタクシーで帰った。 社員のほとんどがタクシー帰りだったと思う。 夜10時頃に帰ろうとする人がいれば、 「今日は早いですね、何か用事ですか?」なんて声をかけられていた。 ある日、経費か何かの都合でタクシーが使用禁止となり、 走って終電に飛び乗るようになった。 それも次第に面倒になり、週に3回は会社で寝泊まりするようになった。 夜9時からの打ち合わせも普通だったし、夜中3時に電話対応している人もいた。 月曜提出のコンペのため、土日でフルカンプを仕上げたりした。 土日出勤は当たり前。全てサービス残業。...
中川朋樹
10月30日読了時間: 3分


20251017_回想1 初就職といじめ
出社してまず ラジオのアンテナを立て、J-WAVEにチャンネルを合わせる。 先輩方の机を拭き、打ち合わせテーブルを拭く。 ゴミ箱を回収し、ゴミを出す。 フロアのモップがけ。トイレ掃除。 珈琲メーカーのドリップ準備。 これが毎朝のルーティンワークだった。 ー 経理担当のお局は、週に3回出社した。 ちょうど朝のルーティンを終えた僕の横にきて、 できたての珈琲をコップに注ぎ、ひとくち含んで一言。 「・・・不味い。」 サーバーの蓋を開け、全ての珈琲をシンクにぶちまけた。 お局は普段、僕とは一切口もきかず、ただただ睨んだ。 皆がいる前に限って、何かにつけて叱りつけた。 ー スタッフは全員、見て見ぬふり。 むしろ常に欠陥を探されているように感じた。 何か話せば注意された。 何か動けば違うと叱られた。 風邪をひけば迷惑だと言われた。 まさに四面楚歌だった。 次第にどもって喋れなくなった。怖かった。 ますます疎ましい存在として扱われ、 背後から責めるようなため息が聞こえた。 ー 仕事といえば、先輩方が出力したレイアウト用紙を カッターとセロテープでひたすら繋ぎ
中川朋樹
10月17日読了時間: 4分
20250507_向き合えない
ゴールデンウイークは久々に伊勢に帰った。 名古屋から近鉄に乗り換え、伊勢へ向かう途中、数駅前で電車を降りた。 駅のトイレで襟付きのシャツに着替え、 マップアプリを頼りに、先生のお宅まで歩いた。 ー 昨年末に喪中ハガキが届いたものの、この半年間無視を決め込んでいた。...
中川朋樹
6月13日読了時間: 3分
20230807_別れ
ブログなんて向かないから始めるつもりはないけど、 今日ばかりは書き留めておきたいと思った。 ー 別れ。 偉大な人との別れ。 ずいぶん痩せてしまっていたけど、眠っているような表情だった。 いつも、ほんの少し、ふんわり、微笑んでるような人だった。 ー 出会いはもう覚えてない。...
中川朋樹
2023年8月8日読了時間: 3分
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